出汁のイメージ
「出汁を取る」と聞くと、皆さんはどのようなイメージを持たれますか?
「鰹節や昆布を常備していない」「時間がかかる」「面倒だ」と思われる方も多いかもしれません。
様々な種類の顆粒だしが売られているので、出汁を取る人も少なくなっていると思います。
和⾷で多く⽤いられる「出汁」は、鰹節や昆布を煮出すところから始まり、旨味を引き出すために⾷材の切り⽅にも様々な⽅法があるなど、現代⼈の⽣活スピードにはなじみにくいことも事実です。
しかし、離乳食で出汁を推奨するのには理由があります。今回は、出汁の必要性をご紹介いたします。
私たちが出汁にこだわる理由

離乳食の味付けは、味覚形成に大きな影響を与え、一生ものの味覚を作ると言われています。
味覚形成は3歳までに急速に形成され、10歳頃にはおおむねベースができます。
離乳食を通して様々な味を知っていき、味・舌触り・食感・温度・見た目・匂いなど五感をフルに使用して食べ物を感じ、美味しさを学んでいく大切な期間です。
この時期に濃い味(調味料の使い過ぎ)に慣れてしまうと味覚が正しく形成されず、食材本来の味が美味しく感じなくなり、塩分や糖分の摂りすぎで生活習慣病になるリスクも高まってきます。
子どもの味覚を育てるために大切なのは、味覚形成の基本である薄味!
「旨味」を上手に使い、食材本来の味に対する感受性を高め、子どもの味覚を育てていきましょう。
人は本能的に、旨味を「美味しい!」と感じます。
しっかり出汁をとることで、素材の味を引き立て、素材が持つ自然な甘みを活かすことができるのです。
そのためにも、調味料を使うのではなく、出汁を活かした料理が大切です。
厳選素材をご紹介
月齢5ヶ月から
■昆布
北海道 日高地方の「日高昆布」を使用しています。柔らかくて煮えやすく、味も良いです。

月齢7ヶ月から
■かつお
ちきり清水商店の「かつお厚削り」を使用しています。ちきり清水商店は、創業天明2年の駿河湾を望む焼津の地で、伝統の手法を守りながら、鰹節の味と品質を追求している企業です。
このこだわりの鰹節を使用した「かつおだし」は香り高く、すっきりと上品に仕上がっています。

■しいたけ
宮崎県北部の美郷町にある、大正元年創業 岡田商店の「乾しいたけ」を使用しています。
100年以上乾しいたけに関わり、一つ一つ手作業で原木で育った乾しいたけをお届けいただいています。乾しいたけのうま味、香りは戻し方によって大きな差が出ます。乾しいたけには「うまみを生み出す酵素」と「うまみを殺してしまう酵素」が含まれており、「うまみを殺してしまう酵素」が働くのが常温帯なのです。そのため、浸るくらいの冷水に浸し、ゆっくり冷蔵庫で一晩かけて戻しています。

月齢9ヶ月から
■いりこ
宮崎県北部の門川町にある、昭和24年創業 水永水産の「いりこ」を使用しています。
豊富な海の幸に恵まれた門川町には2つの漁港があり、そこで採れた良質ないりこは、脂が少なく外見もきれいに仕上がっています。上品なだしが出るのが特徴です。

最後に
今回は離乳食になぜ出汁が必要なのか、使用しているこだわりの素材についてご紹介しました。
出汁の「旨味」を上手に使い、食材本来の味への感受性を高め、子どもの味覚を育てていってください。
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Editor:鈴木 幸子(ひよりの和ごはん 栄養士) 離乳食は赤ちゃんにとってはじめての食事です。安全な材料でバランスの良いメニューを心がけています。 |